【ひっそりとプレオープン中】ベトナム ホーチミン市からローカルブランドのアイテムを直送

TimTayは、ベトナムの豊かな文化と伝統工芸に深く根ざしたファッションブランドだ。サイゴン(ホーチミン市)で生まれ、手仕事の温もりと持続可能な哲学を大切にしながら、現代的で機能的な美しさを追求している。


始まりは、姉妹の想いから


創業者は姉妹のホアン・アイン(現CEO)とホアン・トゥー。当時、ベトナム製ファッションへの関心がまだ低かった市場で、「ベトナム人がつくり、ベトナム人のために届ける」を創りたいという強い願いが創業の動機となった。ホアン・アインはブランドの構築と製品の方向性を担当し、ホアン・トゥーはデザインを担当した。

当初から、TimTayは製品の品質に焦点を当てることを決めていた。高品質な製品を提供することは、顧客との長期的な関係を築く上で最も重要な要素であり、顧客のベトナム製品やベトナムファッションに対する見方を変えることを目指している。また、製品が良い品質であることに加え、顧客に記憶してもらうための「ストーリー」を持つことも大切だと考えている。

共同創設者の二人は、ベトナムの伝統工芸品や手工芸品、そして自然素材に対して特別な情熱を抱いている。これらはTimTayのデザインにおける無限のインスピレーション源であり、自然素材は快適さや肌触りの良さで顧客に強い印象を与え、環境に優しく分解されやすいという利点も持つ。

これにより、ブランド自身、顧客、そして社会全体に長期的に良い影響を与えることを目指している。

 

サステナブルな選択

ファストファッションが抱える過剰生産、環境汚染、労働搾取といった問題に対し、TimTayは持続可能な道を選んでいる。スローショッピング、熟練した手仕事、自然で環境に優しい素材を重視しており、「ゼロウェイスト」(無駄ゼロ)の原則に基づいてデザインされている。

特にシルク製品では、余った布を一切残さず、製品のディテールとして再利用することで、材料の無駄を最小限に抑えている。余った布は小さなアクセサリーやヘアゴムなどにも再利用されることもある。


デザインの美意識

TimTayのデザインは、ベトナム文化だけでなく、世界中の文化からもインスピレーションを得ている。特にベトナム文化の普及に力を入れ、地元の工芸品や日常生活をデザインに取り入れている。

TimTayの衣装は、現代的でありながら機能的で、どこか懐かしさを感じさせる美しさを持ち、文化的な要素が込められている。これにより、ベトナム製品の独自性が際立っている。

製品の細部にわたる丁寧な作りは、日本文化にも近いと評されており、多くの日本人顧客からもその丁寧さとシンプルなデザインが愛されている。

過度な刺繍は避け、小さなポイントで手工芸の魅力を引き出すことで、モダンさを保ちつつ温かみを感じさせるデザインが特徴だ。

 

素材へのこだわり

すべてのシルク製品には、ベトナム最高級とされるバオロック産のシルクを使用しており、顧客の希望に応じてオーダーメイドも可能だ。

 ボタンの一部は、著名な芸術家であるアン・ティエン氏による手作りの陶器製で、水流や気候で磨かれた小石からインスピレーションを得ている。

シルクの他に、100%綿のコットンやリネン素材も使用し、手刺繍のディテールを施したコレクションを展開している。


暮らしに寄り添うものづくり

TimTayは、衣類だけでなく「TimTay Home」としてホームコレクションも展開。手刺繍のリネンティッシュカバーやテーブルクロスなど、日常にそっと温もりを添えるアイテムが揃う。

店舗はホーチミン市7区・フーミーフンに位置しており、都会の喧騒から少し離れ、ゆっくりと服と向き合える空間が広がっている。無料修理やサイズ調整など、丁寧なアフターサービスも特徴のひとつ。


文化をつなぐ「Zero Pop-up」


TimTayは、年に一度のローカルブランドイベント「Zero Pop-up」にも参加。

「ゼロから始める起業家」「ゼロウェイストな思想」をテーマに、衣類、雑貨、食器、家具などが並ぶ空間を通して、ベトナム製品の魅力とストーリーを伝えている。

 

TimTayが描くこれから


伝統を受け継ぎながら、現代の暮らしに自然と溶け込むTimTayの服。そこには、作り手の誠実な手仕事と、土地の文化に対する敬意がある。単なるファッションではなく、物語をまとうという選択

TimTayはこれからも、静かに、しかし力強く、持続可能で美しい暮らしを提案していく。

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